企業や組織における「インターネット活用」と聞くと、商品やサービスを売るためのセールス活動が真っ先に思い浮かぶかもしれません。しかし、実はもう一つ重要な利用法があります。
それが、「求人」です。
慢性的な人材不足に悩まされている経営者の方はたくさんいらっしゃいますし、さらに有能な人材を確保したいとなれば、なおさらハードルは高くなります。
以前であれば紙媒体を使った求人活動が主流でしたが、現在では仕事を探す人のほとんど、特に若い人ならネットを使うのが常識となっています。
しかし、ネットでの求人活動はまだその歴史も浅く積極的に実践したことがなかったり、試してみたけれど効果が薄かったという方が多いというのが現実です。
そこで弊社としてもインターネット求人のトレンドをつかむため、自社の求人を実際に試してみたことが過去に何度かありました。そしてその結果が、予想と異なるものとなっていたため今回ここにまとめておこうと思います。
ではネットを使った効率の良い求人の方法について説明していきましょう。
「無料で15人の求人応募」をあっという間に確保できた手法とは
ネットでの求人の方法は、大きく分けて二つの方法があります。
一つはインターネットの求人サービスを使うもの。もう一つが自社ホームページで求人する方法です。
しかし二つあるとは言いましたが、そのどちらかだけで結果を出すのは難しいのが現実です。さらに言えば、この二つを上手にリンクさせることがネット求人の大きなポイントだったりします。
まず、求人の「入り口」になるのはインディードのような求人サービスです。
これは、ネットネイティブとも言える今時の若者の行動パーターンが、例えば服を買うなら渋谷の街を手当たり次第歩き回るより、駅前の109に行ってしまうのと同じだからです。
若者は自分で検索エンジンを使って求人を調べるより、インディードのようなサービスを使って探した方が効率がいいことをよく知っています。
そのため入り口としては、求人サービスを利用するのが得策です。しかしそれだけで簡単に応募があるほど甘くはありません。実際に求人サービスを利用している方なら、そのことを実感しているはずです。
今回テストした弊社の実例を紹介すれば、ネットの求人を使って短期間で「15人」の応募を得られました。
それは、いったいどの様な手法で実現できたのでしょうか。
求人サービスの主流は「Indeed (インディード)」
実際にネットの求人サービスを利用したことがある方ならご存知かもしれませんが、現在の求人サービスの中で最も知名度があり、露出の多いものは「Indeed (インディード)」です。
もちろんネット上にはその他にも様々な求人サービスがありますが、今すぐ活用するのであれば、インディードが最もレスポンスが良いと言えるます。
ちなみに先程弊社に15名の求職者が応募してきたと書きましたが、これは広告なしでの結果です。広告を出せばさらにインディード内での露出が増えますから、もっとたくさんの応募が期待できます。
しかし、実際にインディードを使って求人をしている企業から「インディードで求人しても人が来ない」という声が多数あるのも事実です。
実はインディードを使ってより効果的に求人をするためには、ちょっとしたコツがあるのです。
続いてそのコツについて説明していきます。
インディードで効果的に求人するための秘策
普通にインディードを使っても応募がないというのはある意味当然のことで、同業者が同じ様な職種を求人していれば応募してもらうハードルは高くなりますし、なにより転職したいと思っている人があなたの募集内容に魅力を感じなければ応募してもらえません。
そのため、より多くの応募を得たいというのであれば、転職したいという人が、何を条件として企業を選ぶのかを知っておく必要がります。
もちろん仕事内容、そして給与、待遇面が重要ではあるのですが、それと同等に大切なのは「より詳細な情報やメッセージ」を求人の募集欄から伝えることにあります。
インディードであれば、募集欄の職種をクリックすると詳細の情報を見ることができるのですが、実はこの項目に「自社のホームページ」を表示することができるのです。これが応募してもらうための大きな鍵となります。
もちろん、ただリンクさせて表示すれば応募が増えるというほど話は単純ではありません。
重要なのはそのホームページをどう作り込むかという、コンテンツの数と種類なのです。
競合と差別化するためのホームページ連携策
競合と差別化しよりたくさんの応募を得るためにしなければならないことは、インディードで職種リンククリックして表示されるホームページで何を表示させるかという、自社ホームページの求人ページコンテンツをしっかり作り込むことです。
作り込むと言われて、どんなコンテンツを作ればいいかすぐにイメージできますか?
早速答え合わせをしてみましょう。それは、応募者の心をくすぐり、応募しよう!というモチベーションを高める内容である必要があります。
では何かといえば、それは企業の理念とか行動指針、その様な働き方やライフスタイルを実現できるかなどの「企業と応募者の価値観共有」のページなのです。
それをがっつり作り込み見せることで、応募件数が圧倒的に増やすことができる様になります。
さらに、これはいわゆる「コピーライティング」のテクニックで書かなければいけないでしょう。
インディードなどでは内部のサービスが標準で提供している情報欄だけでは、いわゆる「一般的な求人サイトの内容」しか表示できません。
そうなると、求職者もそういうのを読み慣れていますから、いかにもテンプレートという内容であることがバレてしまいます。そのままでは「ああ、いつものアレね」のような薄い反応しか得られずに、そのままあなたの募集ページからすぐに離脱されてしまうわけです。
しかしホームページ側できちんとコンテンツを作り込んで、「理念」とか「ミッション」とか自社の情熱みたいな物をがっつり伝えられる、求職者に「おっ」と思わせるような情報を表示させれば、応募したいという動機付が全然変わってきますよね。
あなたの提示した共有する価値観に対して、心地いいと思う人は興味を持って反応してくれるし、心地いいと思わない人はそもそも来ない。その時点で応募者をフィルタリングできますから、無駄な応募者に対応しなければならない時間を省けるというのも、コンテンツを充実させるメリットの一つとなります。
この発想は、まさにモノを売るためのダイレクトマーケティングの手法と同じです。
「ここだったらちょっと高いけれど買ってみたい」と思わせる様な商品の情報を伝えるのと同じ様に、「ここだったら給料や待遇は普通かもしれないけれど、他社にない魅力がたくさんあるから働いてみたい」と思わせる様な情報を掲載しておけば、成約率=求人の応募は圧倒的に高くなるのです。
Googleのサービス「Googleしごと検索」も要注目
いちばん初めにネットでの求人には二つの方法があり、一つは求人サービスで、もう一つは次yさホームページであるとお話ししました。
ここまでは求人サービスの使い方と自社ホームページの連携について説明してきましたが、自社ホームページ単体での活用方法も忘れてはいけません。
自社ホームページへの流入のメインとなるのは、やはりGoogleと言えるでしょう。
しかし、Googleの検索結果を上げるいわゆる「SEO」というのは、それなりのノウハウがないと結果が出せないため、求人に関しても同様に諦めてしまっている方がいるかもしれません。いえ、求人に関していえばまだ諦める必要はないのです。
もしかしたらまだご存知ないかもしれませんが、Googleは求人に関して新しいサービスをスタートしています。
それが「Googleしごと検索」です。
Googleしごと検索とは、例えばGoogleでデザイン会社での求人を検索しようとして「ホームページ制作 求人」という検索語で調べると、検索結果の上の方に自分のいるエリア周辺の求人情報が「求人」というカラムにまとめて表示されサービスです。興味があれば一度実際に試してみてください。
これはGoogleマップなどと同様に現時点では無料のサービスで、特定の設定をホームページの仕込んでおけば表示される様になります。設定は弊社でも行っていますので、詳しくはお問い合わせください。
そして続いて、より有効にこのGoogleしごと検索を利用するためにやっておきたい「秘策」をご紹介しておきましょう。
ホームページの求人コンテンツを充実させて表示を埋め尽くす
自社コンテンツで求人する際に、ホームページを利用せず1ページだけの「LP(ランディングページ」を使うという方法が推奨されていることもありますが、このGoogleしごと検索をフルに活用したいのであれ、ホームページを使うのが正解です。
LPだけですと、Googleしごと検索の中にLPのコンテンツしか検索結果に出せません。1ページしかないコンテンツは、Googleの検索結果としては1件しか表示されません。これはしごと検索も同様なのです。
しかし自社ホームページを表示させれば、自社で募集しているすべての職種、例えば弊社であれば「コピーライター」「デザイナー」「エンジニア」などのページをホームページ内の別ページとして作っておけば、職種ごとにすべてのページをしごと検索の検索結果として表示さできます。その結果、しごと検索のブロックの項目をすべて自社だけで埋め尽くすことができるです。
Googleを有効活用する際には、検索結果を自社で埋め尽くすという手法は非常に有効で、良く使われているテクニックなのですが、しごと検索に関しても同様に、自社ホームページの求人ページを表示させることで、埋め尽くすことが可能となるのです。
釣りに例えるのなら、今一本しか釣り糸を垂らしていないのがLPだとしたら、ホームページで複数の職種を募集してたくさん垂らすようにするわけです。当然たくさん垂らした方が、たくさん釣れてしまいますよね。
ホームページの求人コンテンツの充実と求人サービスの活用で求人コストの低減を
ネットの求人方法のテスト的に今回色々な手法を試してみたのですが、結果的にあまりに反応が良すぎて驚いているというのが本音です。
これだけの流入があれば、求職者に合わせて人材のレベルを落としたり、あるいはへつらったりすることもなく、あくまでこちらが主導権を握って求人ができますし、そうなれば妥協することなく本当に欲しい人材、レベルの高い人を選ぶことが可能となります。
ちなみに自社の求人の流入経路をGoogleアナリティクスでチェックしてみたのですが、大きく分けて三つの経路で流入していました。インディードから来ている人、Googleの通常の検索、そしてGoogleしごと検索の三つです。
その比率を見ると、圧倒的にインディードからの流入が中心になっていました。これは実は想定外の結果で、もう少しGoogle系が強いかと思ったのですが、現状ではインディードがかなり強いことがよくわかる数値が出たのです。
転職しようとしている求職者は、求人サイトで探すのが主流であるのが現在の求人のトレンドと言えるのでしょう。
とは言えGoogleのサービスは今後より一般化し、それにともない流入も増えてくることが予想されます。ですから今回説明した方法で表示を埋め尽くせる様な施策を、今のうちから打っておくことは必須です。結果としてそれが先行者利益となり、何年後かに競合に対して高いアドバンテージを得ることができる様になるはずです。
おわりに
募集する職種にもよりますが、求人の反応がないというのは企業を存続するにおいて致命的な問題になりかねず、非常に高いコストを求人に使わなければならないという事実は、今まで求人に苦しんできた方ならば実感として持っていらっしゃるのではないでしょうか。
特に営業職の求人ともなれば、一人の採用に数十万〜百万円以上のコストが必要だというデータも出ています。
もちろん十分な利益を得ている企業がさらに成長するために求人するのであれば、この様な高額なコストを支払ってでも新しい人材が欲しいと思うのでしょうが、実際にはそこまで余裕はないがどうしても人材が欲しいというケースの方多数ではないでしょうか。
そうなれば、できるだけコストを抑えて、しかし競合よりも優秀な人材に数多く応募してほしいというニーズの方が高いはずです。
そこで今回の手法を活用すれば、宣伝費などの直接的なコストを使うことなく、求職者のハートを掴み応募してもらえるスキームを構築することが可能となります。
求人のトレンドというものは時代によって大きく変化していくものですから、より効果的に、ローコストで採用まで漕ぎ着けたいというのであれば、是非今回説明してきた求人サービスと充実したホームページのハイブリッド化を実践してみてください。ポイントはホームページの活用と、発信する求職者と価値観を共有できるコンテンツにあります。
もちろん、その様なスキームとクリエイティブについて弊社にご相談いただければ、求人対策の仕組み化の構築をガッチリとお手伝いさせていただきます。