公式ラインを活用して顧客にアプローチしている方なら誰しもが聞いたことがある「リッチメニュー」。
このリッチメニューは、ラインを使ったマーケティングの成功を左右するほど重要な役割があります。
そこでこの記事ではリッチメニューの役割やビジネスを成功に導く活用方法を解説していきます。
公式ラインの「リッチメニュー」とは
リッチメニューとは、ラインのトーク画面のキーボードエリアに表示される、「機能一覧」のことです。
以下のように画面の半分を占めるこのエリアでは、クーポン、ショップカード、予約サイトへの遷移ボタンなど、ビジネスの目的に合わせて自由にカスタマイズできます。
よく、「リッチメッセージ」との違いが分からないという方がいますが、両者は全く異なる機能です。
リッチメニューが、画面の下部に固定されたメニュー一覧であり、更新してもユーザーには通知されません。
一方でリッチメッセージは、あくまでラインのメッセージの一部です。通常のラインのメッセージとは違い、画像とテキストを一つのビジュアルに統合し配信できるメッセージのことを指します。
リッチメニューを使うべき3つの理由
リッチメニューを活用すべき理由は以下の3つが挙げられます。
- CTR(クリック率)が高い
- 無料で活用できる
- メッセージ数を消費しなくても良い
それぞれ解説していきます。
CTR(クリック率)が高い
公式ラインのリッチメニューのCTRは、通常のメッセージよりも高い傾向にあります。
これは、公式ラインを開いた際に、画面の半分を占めており、ユーザーの目に触れる機会が多いことが影響しています。
そのため、リッチメニューにはユーザーが思わずクリックしてしまうような文言を記載しておきましょう。
【リッチメニューに置くべきボタン】
- クーポン
- お得情報
- セール情報
このようにユーザーにとってメリットのある提案をリッチメニューにおくことで、より多くの人をWebサイトに誘導することが可能になります。
無料で活用できる
リッチメニューの設置・編集は完全に無料で利用可能です。2019年以前は、一部プランでしか利用できませんでしたが、2024年現在は追加料金も必要なくなりました。
それに伴って、公式ラインを作成した企業の多くはリッチメニューを活用してマーケティングを成功に導いています。
メッセージ数を消費しなくても良い
公式ラインは、メッセージ通数がプランによって上限があります。そのため、十分なメッセージ数を送れないことを懸念している企業も多いでしょう。
一方、リッチメニューは何度編集しても追加料金がかかりません。
メッセージ通数を消費することもありません。
例えば、キャンペーン中やセール中には、その都度リッチメニューを書き換えたり、複数パターン用意して自由にテスト配信をすることもできます。
リッチメニューの意外な落し穴
リッチメニューを活用する際は以下の3つのポイントに注意しましょう。
- パソコン版LINEでは表示されない
- 画像の形式とサイズに注意する
- MECEを意識する
それぞれ解説していきます。
パソコン版LINEでは表示されない
リッチメニューはスマートフォン版LINEのみの機能です。パソコン版LINEでは表示されません。
ユーザーがLINEを閲覧するデバイスは大半がスマートフォンですが、リッチメニューはパソコン版のLINEでは表示されないことを覚えておくと良いでしょう。
画像の形式とサイズに注意する
リッチメニューを1枚の画像とする場合は、テンプレートのサイズに合わせた画像を作成する必要があります。
画像のサイズが違っているとリッチメニュー作成時にアップロードできません。自社で画像を作成する際や、外部のデザイナーに画像作成を依頼する場合は注意しましょう。
アップロード可能な画像のサイズは次の通りです。
画像の形式 | JPG、JPEG、PNG |
画像のサイズ | 1MB以下 |
縦横サイズ | ▼テンプレート(大) 2,500px × 1,686px 1,200px × 810px 800px × 540px ▼テンプレート(小) 2,500px × 843px 1,200px × 405px 800px × 270px |
MECEに注意する
リッチメニューによくあるミスとして、MECE(ミーシー)が意識できていないというケースが見受けられます。
MECEとは、「Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive」の頭文字を取ったビジネス用語で、「漏れなく、ダブりなく」という言葉です。
リッチメニューにおいては、ユーザーが「どこをクリックすれば良いのか」と迷わないように、ボタンごとに「漏れ」や「ダブり」が発生しないように意識することが重要です。
例えば、リッチメニューに商品カテゴリーを乗せているECサイトの場合、以下のようなリッチメニューは、ダブりが発生している(=ユーザーが迷う)こととなります。
- 大人向け
- 男性向け
- 女性向け
- 若者向け
- シニア向け
※20代男性の場合、「大人向け」「男性向け」「若者向け」のどちらを押せば良いのか分からない。
このようにリッチメニューの構成を考える際には、MECEを常に意識しましょう。
リッチメニューの活用事例
ドライビングレンジ東新宿
シミュレーションゴルフの店舗であるドライビングレンジ東新宿店のリッチメニューは、そのシンプルさが魅力です。「予約」「Website」「Instagram」の3つだけで構成されており、ユーザーが操作に迷うリスクを最大限減らしていることが分かります。
佐川急便
佐川急便の公式ラインでは、リッチメニューから再配達の予約が可能です。
これまで不在票からわざわざ電話をしていたユーザーも、公式ラインから容易に再配達や荷物の問い合わせが可能となり、サービスとしての利便性が大幅に上がっています。
デニーズ
デニーズではリッチメニューにおすすめの商品を常に表示されていて、店舗への誘導をしています。
また、商品の画像をリッチメニューに掲載しているためユーザーもイメージがしやすく、外出先でふとデニーズを想起させる工夫がなされています。
バッファロー
バッファローのリッチメニューは、お客様サポート機能を兼ねた役割を担っています。
「問い合わせ開始」「問い合わせ終了」「ヘルプ」の3つのみを表示させているシンプルなデザインで、分かりやすい点で特徴的です。
メアシス
コンタクト販売サービスのメアシスでは、青と白が交互に表示されたシンプルな見た目のリッチメニューが特徴です。
また、内容もコンタクトの種類だけを表示させているため、Webサイトへ流入した後に商品選択までの操作が少なくて済むような設計になっています。
ホームズ
賃貸物件検索サービスのホームズでは、リッチメニューが表形式になっていて、用途に合わせてどのボタンを押せば良いかが明確になっています。
リッチメニューでは、MECE(ミーシー)の概念が必須です。ホームズはその点、漏れもダブりもない素晴らしいリッチメニューとなっています。
公式ラインのリッチメニューについてのまとめ
本記事では公式ラインのリッチメニューについて解説してきました。
せっかく公式ラインを活用しているのであれば、リッチメニューも活用しない手はありません。
しかし、リッチメニューはただ作れば良いものでもありません。どのような項目を表示させるのか、MECEの観点で問題はないか、様々な注意点があります。
この記事を参考にリッチメニューを活用してあなたのビジネスが成長することを願っています。