オンラインで商品やサービスを購入する行為が幅広い世代で一般的になった現在、Web広告は広報活動になくてはならない施策と言っても過言ではありません。
「Web広告を使って自社の商品を拡散したい」と考えたことがある人も多いのではないでしょうか。ただし、Web広告は専門的な知識やスキルが必要なので、初めて運用する人は次のような悩みを抱えがちです。
【Web広告運用の悩み】
- Web広告の始め方がわからない
- 広告を出してもなかなか成果が出ない
- 効果的な運用方法が知りたい
Web広告は多くの人にサービスを広げる効果的な施策ですが、むやみに広告を出しても時間や費用ばかりかかって効果が感じられないことも少なくありません。Web広告を効率よく運用するために、この記事では以下についてまとめています。
【本記事の内容】
- Web広告の運用方法
- Web広告運用に必要なスキル
- Web広告を効果的に運用するためのポイント
- Web広告運用に成功した事例
- Web広告運用を代理店に依頼するメリット
この記事を読めば、Web広告運用に必要な基本的な知識が身につきます。ぜひ参考にしてください。
Web広告が拡大し続けている背景
Web広告とは、インターネットを使った広告の総称です。インターネットの普及とともに広告媒体として拡大し続け、株式会社電通が2022年2月に発表した「2021年 日本の広告費」では、2021年のインターネットの広告費は2兆7,052億円で前年の121.4%でした。
【媒体別広告費<2019年~2021年>】
(引用:2021年 日本の広告費)
新聞・雑誌・ラジオ・テレビのマスコミ四媒体の広告費(2兆4,538億円)を上回り、広告媒体の中心を担っています。
従来のテレビ広告と比較したWeb広告のメリットは以下の通りです。
【テレビ広告とWeb広告の比較】
Web広告 | テレビ広告 | |
ターゲット | 細かいターゲット設定が可能 | 地域・時間帯などの設定のみ |
データ測定 | リアルタイムで測定できる | 測定が難しい |
費用 | 安価で出稿できる | 広告費が高い |
出稿準備 | 短期間で準備できる | 撮影や制作に時間がかかる |
Web広告では次のような項目で詳細なターゲット設定ができます。
【Web広告のターゲットとして設定できる項目】
- 年齢
- 性別
- 地域
- 趣味や関心
- 検索キーワード
- 過去の購入品
このように、細かい設定をして自社商品に興味がありそうな人々にのみ配信することで、費用対効果が上がります。
また、リアルタイムでデータの測定が可能なので、配信の途中でも細かく設定を変更することができます。費用が安価で、出稿するための準備作業も少ない点も大きなメリットです。
Web広告が拡大し続ける背景には、社会情勢のほかに、安価で効果的に出稿できるメリットがあることがわかりました。次の章からは実際に運用するための方法について詳しく解説していきます。
Web広告の運用方法 基本の5ステップ
Web広告の運用には媒体を選んで広告を制作・出稿する作業が必要です。この章ではWeb広告の運用方法を5ステップに分けて紹介していきます。
【Web広告の基本的な運用方法】
- STEP1:プランニング
- STEP2:媒体選定
- STEP3:広告作成
- STEP4:入稿
- STEP5:分析
それぞれのステップのポイントとなる作業をみていきましょう。
プラニング:目的を明確にする
まずは「なんのために」「どんな人に」広告を配信するか目的を明確にします。「なんのために」とはWeb広告でターゲットに求める行動や広告の成果のことです。たとえば次のような行動や成果が考えられます。
【「なんのために」広告を出稿するのか】
- ブランドの認知を拡大する
- イベントの参加者を集める
- 商品に興味を持ってもらう
- 比較しているユーザーを購入へ結びつける
ターゲットのどんな行動を促したいかによって広告の種類や手法が異なるので、広告ごとに具体的な行動を考えておくようにしましょう。
次は「どんな人に」広告を配信するか、つまりターゲットの具体的な人物像を決めていきます。前述したように、Web広告ではターゲットを詳細に設定しておくことで、費用効果の高い運用が可能です。「20代で初めて車を購入しようとしている男性」「30代で2歳の子どもがいる専業主婦」など、可能な限り具体的に人物像を決めておきましょう。
媒体の選定:何を使って広告を配信するか決める
次に「どんな広告を」とはどの媒体に広告を出すかを決めることを指します。Web広告は次のような媒体に出稿が可能です。
【Web広告が出稿可能な媒体】
- Webサイト
- 検索画面
- SNS
- アプリ
どの媒体に出稿するかは、ターゲットが普段どんな媒体をよく利用するかによって決めることが重要です。年齢・性別・普段の行動などの角度からターゲットに合った媒体を選びましょう。
広告作成:テキスト・バナーを作成する
広告運用の目的や媒体が決まったら、実際に配信するテキストやバナーの作成を始めます。リスティング広告であればキーワードやテキスト、SNSやディスプレイ広告であればバナーや動画が必要です。
ここでは、ターゲットが思わず目を惹く訴求内容やコンテンツが作れるかどうかが重要になります。競合の広告文やバナーも参考にしながら制作を行いましょう。
入稿:管理画面から入稿する
各媒体の管理画面から入稿作業を行います。媒体によっても異なりますが、アカウント・キャンペーン・広告グループ・広告などの各階層で次のような項目の設定が必要です。
【入稿時の設定項目】
- 予算
- 入札金額
- 配信期間
- 配信地域
- ターゲットの属性
- 配信デバイス
- 画像・動画などのコンテンツ
- テキスト
媒体によってはAIによって入札金額を自動で設定できる場合もあります。初期に設定した項目は配信の途中でも変更が可能です。
分析:運用中・運用後に分析を行う
Web広告は運用中でも設定の変更が可能なので、入稿後に定期的に分析を行うことで広告効果が高まります。広告のクリック数や離脱率などを分析して効果測定を行っていきましょう。
誘導するサイトがある場合はGoogle Analyticsなどのツールも併用して、複数の情報を合わせて改善策を練っていく必要があります。
Web広告運用に必要なスキル
ここまでWeb広告運用の基本的な作業を説明してきましたが、広告を運用して成果を出すには次のような専門的な知識が必要です。
【Web広告で成果を出すために必要なスキル】
- 媒体に関する知識
- データ分析力
- 広告の企画力
- 予算やKPIの正しい設計
各スキルの重要な要素について説明します。
媒体に関する知識
運用を成功させるためには、広告を出稿する媒体の特性や使用するユーザーの特性などの知識が必要です。たとえば、リスティング広告ひとつをとっても、Googleに広告を出すのかYahoo!に広告を出すのかでは得られる効果が異なります。SNSでも同じように、Twitter・Instagram・Facebookなどの各媒体の特徴を理解することが重要です。
どんなユーザーがどのようにそれぞれの媒体を利用するのかを理解し、特性に合わせた広告が出稿できれば費用対効果が高まります。
データ分析力
広告運用の成功にはデータの分析が必要不可欠です。日々更新される数値を見ながら、適切に設定を変えていく必要があります。広告運用でよく使われる数値は次のようなものがあげられます。
【広告運用に必要な数値の知識の一例】
数値の名称 | 意味 |
KGI | 経営目標達成指標=最終的な目標数値 |
KPI | 重要業績評価指標=重要な項目の目標数値 |
CV | コンバージョン=目標とする行動の回数 |
CTR | クリック率 |
CPC | クリック単価 |
CPA | コンバージョン単価 |
ROAS | 広告費1円当たりの売上額の割合=費用対効果 |
他にもさまざまな指標があり、ここで紹介したのは一例です。各数値から広告の効果を分析し、多角的な視点でデータを読み解くことが求められます。
広告の企画力
良いコンテンツを配信するためには、高い企画力が求められます。ターゲットに響くキャッチコピーや画像・動画を作成しなければ、配信したところで行動を促すことはできません。広告運用には、発想力や想像力を活かして人の心を動かすクリエイティブなスキルが必要な一面もあります。
予算やKPIの正しい設計
広告を効果的に運用するために必要不可欠なスキルとして、プランニング時の予算・KPIの正しい設計スキルがあります。KPIとは重要な項目の目標数値のことで、広告の目的に応じてどの指標をKPIにするかが異なります。
例えば広告の最終的な目標が「ECサイトで1000万円の売上を達成する」とした場合、考えられるKPIはECサイトのクリック数・顧客単価・クリック単価などになります。最終的な目標を達成するためには、KPIの達成状況を定期的に確認し、達成状況に合わせて配信内容を調整するスキルが必要です。
Web広告の効果を高めるためのポイント3選
ここまでWeb広告運用の基本的な作業や必要なスキルを解説してきました。この章では、さらに効果を高めるためのテクニックとしてポイントを3つ紹介します。
【広告の効果を高めるためのポイント3選】
- 5W3Hを細分化する
- 運用中にPDCAを回し続ける
- ランディングページを改善する
それぞれ詳しくみていきましょう。
5W3Hを細分化する
広告をプランニングする際の基本的な考え方である「5W3H」に細分化して考えることで広告の効果が高まります。
【Web広告における5W3H】
5W3H | 意味 | WEB広告における意味 |
When | いつ配信するか | 日付・時間帯・曜日 |
Where | どこに | 媒体 |
Whom | 誰に | ターゲット |
What | なにを | 配信コンテンツ・誘導先 |
Why | なぜ | どんな目的で |
How much | いくらで | 予算 |
How many | どのくらい | 一人のユーザー当たりの表示回数 |
How | どのように | 効果検証 |
たとえば、広告を配信するタイミングを考える際、ターゲットの生活リズムを考慮して「いつスマートフォンで検索するか」を考えることで、時間帯や曜日をより最適に設定することができます。また、すでに商品を知っている「顕在層」をターゲットにするのか、商品のことを全く知らない「潜在層」をターゲットにするのかによっても、配信方法やKPIが異なります。このように5W3Hを細分化して考えることが重要です。
運用の数値の改善に行き詰ったときは、基本的な「5W3H」の考え方に立ち返り、各項目を細分化して考えてみましょう。
運用中にPDCAを回し続ける
Web広告の特性を最大限に活かすためには、運用中にPDCAサイクルを回し続けることが重要です。広告の配信が目標になり、配信期間中になにもしなかったというのでは、成果を最大化できません。
リアルタイムで入札額・配信ターゲット・クリエイティブ(テキストやバナー)を調整して、スピード感を持って進めていきましょう。
ランディングページを改善する
広告運用で見落としてはいけないのが、ランディングページの内容です。広告からサイトへの流入に成功したとしても、流入先のページの質が低ければ望み通りの結果は得られません。ランディングページを最適化するには、次のような視点が重要です。
【ランディングページ最適化のポイント】
- ファーストビューで離脱していないか
- フォームまでの導線がわかりにくくないか
- 広告の訴求内容とランディングページの内容が一致しているか
- フォーム入力中に離脱していないか
ランディングページを最適化するために有効な方法が、複数のパターンのページを用意してどのページの結果が良いかを分析するA/Bテストを行うことです。広告のPDCAを回しながら、ランディングページを改善するのは簡単なことではありませんが、目標達成に必要不可欠な作業なので忘れずに取り組みましょう。
Web広告運用に成功した事例
Web広告を使って問い合わせや売上が大幅に増えた事例を紹介します。
リスティング広告で問い合わせ4倍!売上200%達成
株式会社ナセバナルさんは、リスティング広告の運用とランディングページの改善により、ホームページからの問い合わせ件数やセミナーへの参加者を増やすことに成功しました。
トップページの構成を変えたり、キーワードを追加したりすることでアクセス数や検索順位も向上。リスティング広告の内容に併せて、メールマガジン用のランディングページを作ることで、メールマガジンの登録数も1.5倍になりました。
LPとの組み合わせでセミナー集客効果5倍!
株式会社マルキペイントさんでは、リスティング広告のホームページ改善で売上が大幅に向上しました。ターゲットを明確にして広告を出稿したことで、自社に合った客層が集まるようになり、ストレスなく営業が進められたという結果が報告されています。
単に問い合わせを増やすだけでなく、業務効率を上げることもWeb広告の効果の一つです。
本当に成果を出したいなら運用代行に依頼してみよう!
Web広告は誰でも始めやすいというメリットがある反面、効果を出すためには専門的な知識や分析スキルが必要で、一定の成果を出すためには時間や労力がかかるのが事実です。知識やスキルがない人には運用代行の利用を検討してみてください。
運用代行サービスは、Web広告の企画や運用をマーケティングのプロに運用を依頼できるサービスです。配信の設定だけでなく、日々の分析や調整も依頼できるので、分析に時間がかけられない担当者でも安心して任せることができます。社内に広告運用スキルがある人がいなくても本格的な運用ができるので、時間と労力をかけずに成果を出したいと思うのであれば、運用代行に依頼するのが最も効率の良い方法です。
ラディカルサポートでは広告の運用と併せて、効果の最適化に欠かせないホームページ改善のアドバイスも行っています。細かな設定を繰り返してパフォーマンスの高い運用が可能です。ぜひお気軽にご相談ください。
まとめ
Web広告を利用すると、従来の新聞やテレビなどのマスコミを使うよりもより効率よく広報活動が進められることがわかりました。準備期間が短く、低コストで出稿できるので誰でも気軽に出稿できる一方で、効果を出すには専門的な知識やスキルが求められる一面もあります。社内にリソースがない場合は、運用代行サービスを利用して、労力や時間をかけずに運用することもできます。自社に合った広告運用で、Web広告の効果を最大化させていきましょう。